ばんえい騎手名鑑



 赤 塚 健 仁 (あかつか けんじ) 所属厩舎/久田 守
生年月日/1990年12月21日 出身地/北海道根室市
初騎乗/2011年 通算/4807戦456勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利 2014年度 ばんえい菊花賞(ハクタイホウ)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

47- 42- 58-298(445) 17位 勝率 .106 連対率 .200

79-104- 96-491(770) 11位 勝率 .103 連対率 .238

50- 82- 90-644(866) 14位 勝率 .058 連対率 .152

66- 77-112-665(920) 14位 勝率 .072 連対率 .155

66- 86- 90-672(914) 13位 勝率.072 連対率 .166

祖父は馬主さん。ピンクの星がデザインされた勝負服と、自身の純朴そうな童顔から、カワイイ系の騎手と見る向きもあるようだ。自厩舎のカネゾウやハクタイホウなど、可愛く一生懸命な走りでファンの多い馬とのコンビも、そのイメージを強くしているか。名門久田厩舎で経験を積み、他厩舎からの依頼も確実に増えている。勝ち切る技術を身につければ、一気の飛躍も十分に期待できる若手の一人。
  阿 部 武 臣 (あべ たけとみ) 所属厩舎/坂本 東一
生年月日/1972年7月19日 出身地/宮城県大崎市
初騎乗/1998年 通算/13755戦1511勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2020年度 ばんえい記念(ホクショウマサル)

2020年度 天馬賞(メムロボブサップ)

2019年度 ばんえいダービー(メムロボブサップ)

2019年度 北見記念(シンザンボーイ)

2018年度 イレネー記念(メムロボブサップ)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

115-118-127-613 (973)  5位 勝率 .118 連対率 .239

164-166-146-521 (997)  2位 勝率 .165 連対率 .331

193-174-140-532(1039) 2位 勝率 .186 連対率 .353

184-170-157-607(1118) 2位 勝率 .165 連対率 .317

180-173-151-635(1139) 1位 勝率 .158 連対率 .310

坂本東一調教師は義父。 リーディングに手が届きそうで届かないのは(鈴木恵との比較で)上位厩舎とのパイプの差か…。とはいえ、すっかり上位騎手の貫禄が身につき、自厩舎はもちろん、大友・金田・金山での信頼度は高い。2019年度はメムロボブサップの3歳三冠、ホクショウマサルの連勝記録と、重圧がかかる中で結果を出した。余談だが、馬場入場時には必ずスタンドに近い側を歩いてくれているような。エキサイティングゾーンで見守るファンへの配慮だろうか。
 金 田 利 貴 (かねた りき) 所属厩舎/金田 勇
生年月日/1998年1月15日 出身地/北海道帯広市
初騎乗/2020年 通算/
主な重賞勝利  

2020年度 

 39- 35- 52-142(268) 15位 勝率 .146 連対率 .276

金田勇調教師は父。2020年12月1日付で騎手免許交付。白樺学園高校の野球部時代には甲子園にも出場した。広報誌「ポムレ」やNHKの「北海道中ひざくりげ」で取り上げられるなど、騎手デビュー前から注目を集めていた。大型新人としての期待がかかる。

 菊 池 一 樹 (きくち かずき) 所属厩舎/田上 忠夫
生年月日/1986年10月1日 出身地/岩手県北上市
初騎乗/2009年 通算/7049戦644勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2020年度 イレネー記念(オーシャンウイナー)

2019年度 北斗賞(センゴクエース)

2018年度 ヒロインズカップ(タイキン)

2018年度 ヤングチャンピンシップ(アオノブラック)

2014年度 ばんえい大賞典(カイシンゲキ)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

 81- 93-114-567 (855) 10位 勝率 .095 連対率 .204

 89-124- 95-588 (896) 10位 勝率 .099 連対率 .238

 86- 89-125-643 (943) 9位 勝率 .091 連対率 .186

110-122- 95-740(1067) 8位 勝率 .103 連対率 .217

 92- 99-130-686(1007) 10位 勝率 .091 連対率 .190

若手から中堅、という年齢に差し掛かったが、まだまだ伸び盛り。自厩舎は「サカノ」軍団のメインステーブルだが、一昨年度まで勝負駆け時には工藤篤・元騎手に手を渡していた馬たちが回ってくるようになったのは大きく、騎乗数も勝利数も伸ばした。依頼厩舎も広がってきているし、昨年度から主戦を任されているセンゴクエースでは様々な経験を得た。さらなるステップアップが期待できるだろう。

 島 津 新 (しまづ あらた) 所属厩舎/岩本 利春
生年月日/1990年7月4日 出身地/北海道北斗市
初騎乗/2011年 通算/6997戦736勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2020年度 ヒロインズカップ(フェアリースズ)

2020年度 ばんえいグランプリ(ミノルシャープ)

2020年度 旭川記念(ミノルシャープ)

2020年度 北斗賞(ミノルシャープ)

2013年度 帯広記念(ホリセンショウ)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

 69-53-67-505 (694) 11位 勝率 .099 連対率 .176

 71-62-60-642 (835) 13位 勝率 .085 連対率 .159

 63-62-72-646 (843) 12位 勝率 .075 連対率 .148

117-80-67-598 (862) 6位 勝率 .136 連対率 .229

122-82-80-716(1000) 8位 勝率 .122 連対率 .204 

林豊調教師は義父。父は馬主さん。デビューウィンに始まり、わずか数ヶ月後の重賞勝ち、新人として史上最多となる年間86勝、テン乗りでのG1帯広記念制覇…。最初の頃のインパクトが強すぎたせいで、最近は落ち着いてしまった印象もあったが、昨年度は一気に勝ち星を伸ばした。騎乗数はそう変わらないのに勝利数が増えたのは、上級条件で勝ち負けになる馬が回ってくるようになった証拠で、飛躍の予感。次代を担う騎手の一人であるのは間違いない。

 鈴 木 恵 介 (すずき けいすけ)

所属厩舎/服部 義幸

生年月日/1976年10月7日

出身地/北海道森町
初騎乗/1998年 通算/16461戦2759勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2019年度 ばんえい記念(オレノココロ)

2018年度 帯広記念(オレノココロ)

2018年度 ばんえいグランプリ(オレノココロ)

2016年度 イレネー記念(ホクショウムゲン)

2015年度 ばんえいダービー(センゴクエース)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

169-111- 72-472 (824) 1位 勝率 .205 連対率 .340

167-106-101-510 (884) 1位 勝率 .189 連対率 .309

195-125-112-485 (917) 1位 勝率 .213 連対率 .349

194-129-100-651(1074) 1位 勝率 .181 連対率 .301

156-130-119-658(1063) 2位 勝率 .147 連対率 .269

旧姓水嶋。鈴木勝堤・元騎手は義父。鈴木邦哉調教師は義伯父。現在「鈴木」姓の騎手は一人だが、関係者もファンも皆「ケイスケ」と呼ぶ。少なくとも本場のスタンド2階(=濃いファンの定位置)で「鈴木」と聞いたことはない(ので当HPでも「鈴木恵」と表記する)。12年連続のリーディング、近走振るわない馬でも恵介が乗った途端に動く、そんな場面を我々は何度も目の当たりにしている。

 竹 ケ 原 茉 耶 (たけがはら まや)

所属厩舎/大橋 和則
生年月日/1982年1月19日 出身地/青森県百石町
初騎乗/2005年 通算/2573戦179勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

 

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

6-17-15-109(147) 23位 勝率 .041 連対率 .156

16-36-25-109(186) 18位 勝率 .086 連対率 .280

11-10-25-142(188) 17位 勝率 .059 連対率 .112

7-13-18-132(170) 18位 勝率 .041 連対率 .118

 6- 6-13-111(136) 19位 勝率 .044 連対率 .088

父は馬主さん。現役では唯一の女性騎手。2017年度の3着内率は4割超、アピールになったかとも思えたが、なかなか騎乗数が伸びない現状。勝ち星よりも、2着あるいは3着が多いあたり、やはり一押し利かない印象がある(上位騎手ほど1着>2着>3着となる)のは事実。まずは騎乗数の増加が最優先課題だ。

 中 山 直 樹 (なかやま なおき)

所属厩舎/今井 茂雅
生年月日/1970年8月30日 出身地/北海道岩見沢市
初騎乗/1998年 通算/3417戦216勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

 2019年度 黒ユリ賞(エンゼルフクヒメ)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

4-12-6- 66 (88) 24位 勝率 .045 連対率 .182

13-18-12-148(191) 19位 勝率 .068 連対率 .162

9-7-26-151(193) 19位 勝率 .047 連対率 .083

41-47-51-357(496) 15位 勝率 .083 連対率 .177

30-32-63-340(465) 16位 勝率 .065 連対率 .133

もともとは中央競馬のファンから熱心なばんえいファンになり、そこから騎手へ。「ばんスタ」により非常にトークが秀逸なことが判明し、ファンも多い。鈴木恵・阿部と騎手デビュー同期だが、呼び捨ての「ケイスケ」に対して、「阿部さん」には(どちらも年下なのだが)めちゃくちゃ気を遣っている様子が個人的にはツボ。溢れるばんえい愛、ファン目線も知っている騎手である。2019年度はデビュー22年目にして突如の大ブレイク。その勢いのまま涙の重賞初制覇も果たした。

 長 澤 幸 太 (ながさわ こうた)

所属厩舎/服部 義幸
生年月日/1988年9月19日 出身地/北海道浜中町
初騎乗/2009年 通算/8350戦658勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2019年度 チャンピオンカップ(アアモンドグンシン)

2019年度 ドリームエイジカップ(アアモンドグンシン)

2017年度 ばんえいダービー(メジロゴーリキ)

2009年度 ナナカマド賞(テンマデトドケ) 

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

53-65-53-569 (740) 13位 勝率 .072 連対率 .159

66-58-53-640 (817) 14位 勝率 .081 連対率 .152

67-74-71-749 (961) 11位 勝率 .070 連対率 .147

97-80-60-762 (999) 9位 勝率 .097 連対率 .177

90-61-55-802(1008) 11位 勝率 .089 連対率 .150

小学生の頃から大河原和雄・元騎手と知り合いだったらしく、その繋がりで中学生になってすぐ服部厩舎に出入りするように。管理馬も多い名門厩舎だけに、一定の騎乗数は約束されているが、その状況に甘えていてはいけないというのは本人が一番わかっているはず。これから数年が勝負となるだろう。勝ち態勢になってからソリの上で大きな動きを見せ、本人はアピールのつもりらしいが、見え見えのスタンドプレーに喜ぶファンはいない。やめたほうがいい。

 西 謙 一 (にし けんいち)

所属厩舎/西 弘美
生年月日/1986年3月4日 出身地/青森県八戸市
初騎乗/2007年 通算/11295戦1469勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2022年度 北見記念(メジロゴーリキ)

2019年度 ヒロインズカップ(アフロディーテ)

2018年度 チャンピオンカップ(メジロゴーリキ)

2018年度 天馬賞(メジロゴーリキ)

2014年度 ばんえいグランプリ(フジダイビクトリー)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

138-133-148-598(1017) 3位 勝率 .136 連対率 .266

111-109-128-621 (969) 7位 勝率 .115 連対率 .227

147-126-137-601(1011) 3位 勝率 .145 連対率 .270

141-147-146-698(1132) 3位 勝率 .125 連対率 .254

131-143-129-705(1108) 5位 勝率 .118 連対率 .247

西弘美調教師は父。西康幸調教師は叔父。大橋和則調教師も叔父(母の弟)。西将太は従弟。恵まれた環境にいるとはいえ、史上最速となるデビュー9年9ヶ月での通算1000勝到達は実力の証明に他ならない。冷静沈着な騎乗に対する信頼度は、騎乗回数の多さが物語っている。天性の素質に経験も加わり、いよいよ不動の名騎手へ。次代のリーディング候補筆頭だ。

 西 将 太 (にし しょうた)

所属厩舎/西 弘美
生年月日/1989年3月20日 出身地/青森県八戸市
初騎乗/2011年 通算/6918戦771勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2018年度 黒ユリ賞(ジェイカトレア)

2017年度 ばんえいオークス(ナカゼンガキタ)

2016年度 ナナカマド賞(ゴールデンフウジン)

2016年度 北斗賞(ニュータカラコマ)

2012年度 ばんえいダービー(アサヒリュウセイ)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

102-119- 97-544 (862) 7位 勝率 .118 連対率 .256

105-110-114-622 (951) 8位 勝率 .110 連対率 .226

105-120-104-647 (976) 8位 勝率 .108 連対率 .231

117-127-139-668(1051) 5位 勝率 .111 連対率 .232

120-122- 99-735(1076) 9位 勝率 .112 連対率 .225

西康幸・元調教師(故人)は父。西弘美調教師は伯父。西謙一は従兄。気風が良い勝負師然とした騎乗には、さすがばんえい家系と唸らされる。父・伯父の騎手時代を知るオールドファンにしてみれば、隣近所の子供みたいなもので、非常に感情移入しやすい。持ち前の豪快なフォームで追い込んでくると、スタンドからは「ショーター!ショーター!」の大合唱。私生活では、高校卒業後すぐに結婚して、四人の子のパパでもある。 

 林 康 文 (はやし やすふみ)

所属厩舎/小林 長吉
生年月日/1981年10月26日 出身地/兵庫県西宮市
初騎乗/2019年 通算/17戦1勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利  

2019年度

2020年度

 1-2-1-13(17) 19位 勝率 .059 連対率 .176

 4-12-12-51(79) 20位 勝率 .051 連対率 .203

2019年12月1日付で騎手免許を交付された、ばんえいとしては8年ぶりの新人騎手。元はカニ漁師をしていたという異色の経歴の持ち主。38歳の新人、というのも異例だが、厩舎で働くようになった2017年10月から約2年での騎手合格とは、相当な努力をしたのだろう。年下の騎手も多くいる中で、これまでの新人騎手とは違う意味での苦労もあるだろうが、奮闘を期待したい。

 藤 野 俊 一 (ふじの しゅんいち)

所属厩舎/金田 勇
生年月日/1960年8月15日 出身地/北海道森町
初騎乗/1986年 通算/24962戦3269勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2019年度 イレネー記念(コマサンダイヤ)

2019年度 天馬賞(コウシュハレガシー)

2017年度 ばんえいグランプリ(ニュータカラコマ)

2010年度 帯広記念(ニシキダイジン)

2009年度 ばんえい記念(ニシキダイジン)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

 91- 91- 86-356(624) 8位 勝率 .146 連対率 .292

118- 94-102-496(810) 5位 勝率 .146 連対率 .261

123-107- 96-572(898) 6位 勝率 .137 連対率 .256

124-103-103-620(950) 4位 勝率 .131 連対率 .239

134-129-117-606(986) 3位 勝率 .136 連対率 .267

現役最年長となったが、他騎手から目標として名を挙げられることが実に多い。特に障害の上げ方に関しては「藤野さんに聞きに行く」という声が今も根強い。右手に持った手綱で馬の左側の尻を叩く通称「左パンチ」 もさすが絵になる。2019年度もG1を2勝、「重賞請負人」の異名があるように大舞台での強さも折り紙つき。たまに見せる気のないレースぶりもベテランの渋味だろう。

 藤 本 匠 (ふじもと たくみ)

所属厩舎/岩本 利春
生年月日/1962年2月9日 出身地/北海道札幌市
初騎乗/1983年 通算/32521戦4317勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2019年度 帯広記念(コウシュハウンカイ)

2019年度 ばんえいグランプリ(コウシュハウンカイ)

2017年度 天馬賞(マルミゴウカイ)

2016年度 ばんえいダービー(マルミゴウカイ)

2001年度 ばんえい記念(サカノタイソン)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

136-157-131-541(965) 4位 勝率 .141 連対率 .304

129-138-128-558(953) 4位 勝率 .135 連対率 .280

125-123- 97-605(950) 5位 勝率 .132 連対率 .261

113-109-105-567(894) 7位 勝率 .126 連対率 .248

132-118-101-634(985) 4位 勝率 .134 連対率 .254

ばんえい史上最多となる4000を超える勝ち鞍を更新中のレジェンド。それだけでなく、未だリーディング上位を悠然と張っており重賞でも大暴れ、若手の良い壁となっている。右からチョンチョンと脚のあたりを触り促す繊細な技術はまさに匠の技。この人が乗った馬の馬券を買い、たとえ凡走に終わったとしても「匠さんが乗ってなら仕方ない」と納得してしまうほど、ファンのリスペクトを集めている。通算5000勝も期待してしまう。

 船 山 蔵 人 (ふなやま くらんど)

所属厩舎/鈴木 邦哉
生年月日/1983年9月23日 出身地/北海道浜中町
初騎乗/2007年 通算/6566戦528勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2020年度 翔雲賞(タカナミ)

2011年度 ヒロインズカップ(エンジュオウカン)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

54-46- 63-417  (580) 12位 勝率 .093 連対率 .172 

77-49- 76-599  (801) 12位 勝率 .096 連対率 .157

59-76- 91-606  (832) 13位 勝率 .071 連対率 .162

92-98-117-709(1016) 11位 勝率 .091 連対率 .187

81-91-104-663 (939) 12位 勝率 .086 連対率 .183

父は馬主さん。現役では唯一のサウスポー騎手であり、乗り替わり時、特にテン乗り時には「左に替わって…」とポジティブな見方をされることも多い。実際のところ、左に替わることで一変するほど馬が動くかどうかはわからないが、高配当を演出するシーンもしばしば。徐々にだが上位厩舎からの依頼も増え、成績も確実に伸びている。昨年度から「サカノ」軍団の主戦の一人となったようだ。

 松 田 道 明 (まつだ みちあき)

所属厩舎/村上 慎一
生年月日/1963年10月5日 出身地/北海道夕張市
初騎乗/1990年 通算/19171戦2333勝(2019年3月24日現在) 
主な重賞勝利

2015年度 ばんえい記念(フジダイビクトリー)

2015年度 ばんえいグランプリ(フジダイビクトリー)

2013年度 天馬賞(ホクショウユウキ)

2012年度 帯広記念(カネサブラック) 

2010年度 ばんえいダービー(ミスタートカチ)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

145-124-126-570(965) 2位 勝率 .150 連対率 .279

115-145-133-529(922) 6位 勝率 .125 連対率 .282

121-124-121-555(921) 7位 勝率 .131 連対率 .266

 96-109-112-672(989) 10位 勝率 .097 連対率 .207

128-135-118-570(951) 6位 勝率 .135 連対率 .277

父はオーナーブリーダーであった松田昇氏。 他の上位騎手との比較でいえば、そこまで馬質に恵まれているとも思えないのだが、安定した成績を収めているのはキャリアの成せる業か。自身の騎乗馬だけでなく、勝負に対する読みも大事にしている印象。競走馬は厩舎のもの、育てていくもの、という古風な考え方がコメントから垣間見られるのが好感を持てる。村上調教師からの信頼は絶大で、2019年度はコンビで重賞4勝を挙げた。

 松 本 秀 克 (まつもと ひでかつ)

所属厩舎/大橋 和則
生年月日/1972年9月16日 出身地/北海道森町
初騎乗/1999年 通算/3625戦222勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

 

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2-7-15- 84(108) 25位 勝率 .019 連対率 .083

5-8-28-103(144) 21位 勝率 .035 連対率 .090

10-10-17-102(139) 18位 勝率 .072 連対率 .144

11-21-22-168(222) 17位 勝率 .050 連対率 .144

 9-22-24-224(279) 18位 勝率 .032 連対率 .111

ニックネームは「必殺の秀」。勝負服のズボンにも刺繍されているが、「必殺仕事人」に登場する「飾り職人の秀」が由来らしい。なかなか騎乗数を確保できていない厳しい状況に置かれているが、それでも時折テン乗りでポコッと穴馬券を出すあたりが「必殺の秀」か。喋りが面白い騎手だが、コメントのそこかしこに、ばんえいが大好きだというのが見てとれる。

 村 上 章 (むらかみ あきら)

所属厩舎/鈴木 邦哉
生年月日/1972年8月17日 出身地/宮城県気仙沼市
初騎乗/1996年 通算/10672戦673勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利

 2016年度 ばんえいオークス(ホクトノホシ)

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

44-37- 65-446(592) 18位 勝率 .074 連対率 .137

48-62- 64-530(704) 15位 勝率 .068 連対率 .156

46-90-102-621(859) 15位 勝率 .054 連対率 .158

67-98-138-660(963) 13位 勝率 .070 連対率 .171

57-88-100-571(816) 14位 勝率 .070 連対率 .178

インタビューの始めと終わりでは常にキッチリとした礼を見せる姿が印象的。成績でいえば中堅級の騎手だが、仕事に対して実直な姿勢にファンは魅せられ、関係者は信頼を寄せる。障害を上げる時やゴール前での大きなフォームは非常に目立つ。厩舎作業が好き、調教を考えてやるのも好きらしく、まだまだ先の話だが、調教師になっても大成しそうなタイプ。

 渡 来 心 路 (わたらい こころ)

所属厩舎/久田 守
生年月日/1989年4月17日 出身地/北海道帯広市
初騎乗/2010年 通算/3608戦353勝(2020年3月24日現在) 
主な重賞勝利  

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

 38- 33- 47-167(285) 19位 勝率 .133 連対率 .249

 39- 52- 55-331(477) 16位 勝率 .082 連対率 .191

 78- 69- 81-524(752) 10位 勝率 .104 連対率 .195

 87-120-102-605(914) 12位 勝率 .095 連対率 .226

122-120-106-602(950) 7位 勝率 .128 連対率 .255

元は今井厩舎所属。180cmを超える長身に力感が加わり、2018年度に大躍進。2019年度も騎乗数を大きく増やし、これまで3番手程度の扱いに過ぎなかった厩舎からも、勝負になる馬が回ってくるようになり、さらに勝ち星を伸ばしていくことだろう。馬と呼吸を合わせながらの先行策にはキラリと光るものがある。シャイなのか、単に愛想が悪いのか、ボソボソとしか話してくれないがファンは多い。まずは初重賞が待ち望まれる。